わにシネマ vol.12  『おクジラ様 ふたつの正義の物語』

2月24日(日)にspaceわににて
『おクジラさま ふたつの正義の物語』の上映会を行います。

予告編 (映像と音声が流れます)

作品の紹介

紀伊半島南端に近い和歌山県太地町は、人口約3000の小さな漁師町。
2010年、この町が一躍世界の注目を浴びた。町で行われているイルカの追い込み漁を批判的に描いたドキュメンタリー映画『ザ・コーヴ』がアカデミー賞を受賞したのだ。
以来、「クジラの町」として400年の捕鯨の歴史を「誇り」にもつ太地町は、イルカやクジラを保護したい海外の活動家たちからの集中非難の的となる。2010年秋、過激な抗議活動で知られるシーシェパードのメンバーが太地町に降り立ち、小さな漁師町が国際紛争の舞台となった時から、物語はスタートする。
マスメディアが報じてきた二項対立 ―捕鯨を守りたい日本人とそれを許さない外国人― という単純な図式ではなく、賛否にとらわれない多種多様な意見をカメラは捉えていく。歴史・宗教・イデオロギーの違いや、自分と相容れない意見や価値観を持つ他者との共存は果たして可能なのか?日本の小さな漁村で起きている衝突を通して、世界が今直面しているグローバリズムとローカリズムの対立、そして「ダイバーシティ~多様性の危機」を描き出す。

2010年大ヒットした映画「ハーブ&ドロシー」の佐々木芽生監督が6年がかりで制作した本作品は、2018年夏、アメリカでも劇場公開されて大きな話題を呼んだ。

◆スケジュール

2月24日(日)
午前の部
10:30上映スタート(96分)
11:45 シェアタイム(15分ほど)
※ 開場は10:00。午前の部終了後13:00に一旦閉場します。

午後の部
15:00 上映スタート(96分)
16:45 シェアタイム(15分ほど)
※ 開場は14:30 終了後17:30に閉場します。

わにシネマとは?

映画を観ることを通して、体や心のこと、食のこと、暮らしのこと、
社会や自然のこと、しあわせな未来について、など、
ともに考えるきっかけを持てたらと思い、
わにオープン以来継続して開催しています。
杉の無垢材を使用したナチュラルな空間で
ご家族やお子様連れでもゆっくり映画を楽しんでいただけます。
https://spacewani.com/about/space/

みんなで映画を観て、少し感想をシェアしてみたり、
参加者どうしのゆるやかな、つながりの時間を、
ともにすごすことを目指しています。
シェアへの参加はご自由です。
上映後は、ご自由に退出いただいて構いません。

◆参加費

・1200円(小学生以上の学生は600円)
※ 参加費は、当日受付でお支払いください。
※ 事前のお申し込みは不要です。目安のために可能であれば
Facebookのイベントページにて参加表明いただけると嬉しいです。https://www.facebook.com/events/375608102998650/?ti=icl

◆場所:space わに
https://www.spacewani.com/

神戸市中央区中山手通3-15-11 2階
・JR 元町駅(東口)より、鯉川筋を山側へ、徒歩10分。
・阪急 三宮駅(西口)より、徒歩12分。
・地下鉄 県庁前駅(東1または西1出口)より、徒歩8分。
アクセス詳細はこちらhttps://spacewani.com/access/
※駐車場、駐輪場などについては、上記アクセスページをご覧ください。
みなさまと素敵な時間を過ごすことができることを楽しみにしております。

以下 映画の詳細を作品紹介ページより抜粋しました。

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捕鯨でも、反捕鯨でもない、どっちつかずのいい映画だ!イルカ漁を巡って太地の港を右往左往する人間たちのコメディ。「クジラやイルカが絶滅寸前だと議論をしているが、こんな小さな町こそ絶滅危機にある」というアメリカ人ジャーナリストの科白が光る。
―――ビートたけし

日本におけるクジラ・イルカ漁の問題は、尖閣や拉致問題と同様にナショナリズムの問題になっている。だからこそ政治は硬直する。硬直に抗するためには、多様な視点を知ることが必要だ。様々な視点と視線が幾重にも折り重ねられながら、映画はあなたを新たな視点へと導くはずだ。
―――森達也 (映画監督・作家・明治大学特任教授)

分かり合えないからこそ、向き合うべき時がある。感情の「壁」が立ちはだかる現代を、「おクジラさま」が飛び越える。海からやってくる「奇跡」の予感。
―――茂木健一郎 (脳科学者〕

アフリカの辺境の地でも、すでに起き始めているグローバリズムとローカリズムの衝突。いいことも、わるいこともある中で、自分なりにそれを”考えてみること”を提案してくれる映画です。
―――ヨシダナギ(フォトグラファー)

Story

2010年9月、過激な抗議活動で知られるシーシェパードのメンバーが、黒いドクロマーク付きのTシャツを来て太地町にやってきた。彼らは、メディアをうまく使って世界で最も成功している環境NGOの一つ。南氷洋で日本の調査捕鯨船に体当たりしては新聞やテレビを賑わせ、彼らの「英雄行為」に対して数億円単位で寄付金が集まる。

太地町では12隻の船でイルカや小型クジラを湾に追い込み捕獲する。活動家はその様子をビデオや写真におさめ、ネットで配信。すると非難のメッセージが町役場や漁業協同組合に殺到し、欧米の活動家が抗議に駆けつける。国内外の報道陣が集まり、地元の政治団体が街宣車のスピーカーから片言の英語で活動家たちに脅しをかける。この状況を打開できないかと、太地町代表者と外国人活動家の対話集会が町の公民館で開かれるも、お互いの意見は決して交わらないことを確認するだけだった。

2014年秋、太地町の状況はさらに悪化していた。追い込み漁の季節になると、大勢の活動家が大型バスで乗り付ける。地元では警察、海上保安庁、時には機動隊まで出動して警戒体制が敷かれる。今や TAIJIの名は、「イルカ殺しの町」として世界の隅々まで知れ渡り、ソーシャルメディアなどを通じてネット上で罵詈雑言が拡散している。

絶望的にみえるこの状況の中で、一人のアメリカ人ジャーナリスト、ジェイ・アラバスターと出会う。彼は太地町に住み込み、公平な立場で町や人々を理解しようと奔走するが・・・

マスメディアが報じてきた二項対立 ―捕鯨を守りたい日本人とそれを許さない外国人― という単純な図式ではなく、賛否にとらわれない多種多様な意見をカメラは捉えていく。歴史・宗教・イデオロギーの違いや、自分と相容れない意見や価値観を持つ他者との共存は果たして可能なのか? 太地町で起きていることは、今まさに世界が直面しているグローバリズムとローカリズムの対立、そしてダイバーシティ(多様性)の危機と重なる。

インターネットとソーシャルメディアを通じて、一瞬にして情報が拡散す時代に、私達はどう世界と対話して行くべきなのか。

原題 A WHOLE OF A TALE    製作年 2017年
製作国 日本・アメリカ 制作 FINE LINE MEDIA JAPAN
配給 エレファントハウス 時間 96分

Cast & Staff

監督 佐々木芽生
プロデューサー 佐々木芽生
音楽 デビット・マズリン
撮影 笠原 貴/杉岡 太樹
編集 バーナディン・コーリッシュ
キャスト ジェイ・アラバスター 三軒一高
リック・オバリー  スコット・ウエスト